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■JUNE GUIDE

私、砂姫碧生の出会ったJUNEゴコロをそそる作品の紹介。もろJUNE、ボーイズラブ系は含まれません。いわゆる「そこはかJUNE」「精神的JUNE」ってヤツ。こーゆーのは火種を探して大火事にするってのが醍醐味ってもんなのよう。   
ブラディ・ドールの小部屋はココ



momiji.gif  小説 poppy.gif コミック momiji4.gif ドラマ・映画




momiji.gif  「疫病神」・「国境」 作:黒川博行 新潮文庫・講談社文庫
 私に出す本の予定まで変えさせてくれた、この2冊のミステリ。ミステリというよりはピカレスクロマンと言うべきか。大阪のしがない建築コンサルタントの二宮と、イケイケヤクザの桑原の腐れ縁コンビっぷりが最高なのだ。金に汚く、徹底して利己主義の桑原と、彼に振り回されつつも、けっこうしたたかな二宮。お互いに「なんでこんなんと組んでしもうたんや」とボヤキつつも、絶妙のコンビネーションで巨大な利権組織に立ち向かっていく。(というよりはゴタゴタに巻き込まれていく) 
 とにかく二宮ときたら、冴えない中年男な上に金も無く、ケンカもヘタレ。でも向こうッ気と減らず口は人並み以上。ヘタレはヘタレなりに、自分の中のスジは通そうとする部分も持っていて、危機に陥ると妙な肝の据わりっぷりを発揮する。そしてムチャをするんだが、その必死の頑張りがまた可愛くもある。
 そして、桑原様である。なで肩でメタルフレーム眼鏡の一見優男。しかし、
こめかみの傷と堅気じゃない眼光の鋭さとが彼の人となりを現している。淡い色のスーツにクレリックシャツといった格好のおシャレさんだが、ミッキーマウスのセーターを嬉しげに着るという不思議なセンスも持ち合わせている。その中身はコレ以上ないバリバリのヤクザ。イケイケでケンカっ早く、どんなときでも決して臆しない。「ヤクザはイモ引いたら負けや」が彼の揺るぎない信条である。でも、「北」の国境警備隊に突っ込むのはちょっと考えようよ……。
 腐れ縁の二宮に対する態度も、チンピラにボコボコにされるのを見届けたうえでゆっくりと助けに現れるというSっ気丸出しぶりが素晴らしい。そうかと思えば、クスリに溺れた女を、どつき回してでも中毒から救い上げてやるという不思議な優しさをも持ちあわせている。とにかく生き生きとしてパワフルで、魅力的な男なのだ。
 また、特筆すべきは全編に溢れる大阪弁。この二人の大阪弁での応酬がまた秀逸。高村薫女王様に絶賛されたという生き生きとした大阪弁でのやりとりは、読んでいて爽快感すら覚える。
「わしは乱視や。夜中に空見たら、月が三つも四つもあがっとる」「さっき別れたばかりやないけ。お前、わしに惚れとるんかい」……すべての会話がこんな調子。ボケとツッコミはかくあるべしといったお手本のような会話に、大阪芸人の真髄を見た気がする。あげくに北の某国のトップを「パーマデブ」呼ばわり。桑原様に恐いものはなにもない。ハラショー!
 ストーリーそのものも面白く、途中で止められずに一気に読んでしまった。扱っている題材そのものは、産廃や北朝鮮と重たげなのに、読後感はスカッと爽やか。超オススメのエンターテイメントです。
 なお、ただいま東スポ紙上にて、新シリーズ「暗礁」連載されてます。二宮がまたもやステキに暗礁乗り上げ中〜(笑)
(「極道渡世の懲りない面々2」のあとがきに載せた文に、加筆修正してあります。)
 

momiji.gif  「漂泊者(ながれもの)」 作:風間一輝 角川文庫
 一部にコアなファンを持つハードボイルド作家・風間一輝のオススメの一冊! 殺人で指名手配中、名前を変えて私立探偵を営んでいる室井と、若きヤクザの組長・国分の奇妙な友情物語。(←超意訳) 
 無骨で無愛想な室井と、一見穏やかな物腰のインテリクールビューティー・国分との対比がイイ! 二人は昔、サハラ砂漠でウルトラ印象的な出会いをして、しばらく旅をともにするのだが、別れて日本に帰ったあとも国分は室井のことがずっと忘れられずにいたのだった。十数年後、めでたく再会を果たしたあとの国分の懐きようときたら、まるでワンころのよう。ちぎれんばかりに振ってるシッポが見えるようだよ組長……。普段冷静な国分が、室井の前だと拗ねたり爆笑したりはにかんだり。自分の女にさえ見せたことのない表情を晒しまくってます。いつもは着ないような極道スーツ着込んで、室井に向かって恥ずかしそうに「似合うかな」ってアンタ……。ヤクザの組長がいいのかそれで! 可愛すぎるんですけど!! 
 室井も室井で、最初はまったくとりつく島もないブッキラボーな男だったのに、国分と再会してからはどんどん人間丸くなってるし(笑) 国分をからかって楽しんだり、国分に笑われて憮然としつつも楽しそうだったり。なんだかもう、見ててハズカシイですよあんたらー。
 しかもとどめのエピローグ。
これは一体なんですか。果たしてこれはどこのボーイズ小説なのかと作者を問いつめたくなります。参りました。ラブラブやん君達! 
 ちなみに別の短編集「不器用な愛」には国分だけの話もありまして、そちらでは室井を想いつつバーでピアノを弾く国分くみちょが見られます。すごいぞ風間一輝……。
 この話、どうやら今後もシリーズとして続くはずだったようなのですが、作者が亡くなってしまわれて、永久に読めなくなりました、惜しい……惜しすぎる。「漂泊者」自体もほぼ絶版状態なので、ネットか古本屋で見つけるしかないですが、探して読むだけの価値はあります! ガテン×インテリ好きならハマること請け合い! 読んで〜〜!!
(「ルール」のあとがきに載せた文に、加筆修正してあります。)
 

momiji.gif  サタンの僧院 作:柄刀 一 原書房 1800円
 コーカサスの山々を望む静謐なカトリック神学校に突如、緑の甲冑に身を固めた騎士が乱入してきた。彼に投げかけられた謎を解き明かすべく、約束の地へと赴く若き神学生、甲斐・クレメンスと、彼を追って旅立つ義兄、アーサー・クレメンス。彼等の面前には次々と「神の奇跡」めいた出来事が繰り広げられるのであった……。
 幼い頃にアーサー達の父に拾われ、アーサーとは兄弟のように育ちながらも彼等と袂を分かち、己が道を追求する男、トレディーに翻弄される甲斐。トレディーの挑戦を真っ直ぐに受け止めるアーサー。3人の男が自らの信仰のあり方をかけて対峙する。そして、捕らわれた甲斐の首に、トレディーの刃が真っ直ぐに振り下ろされるのであった……!
 難解な謎解きの数々、全編にわたって展開される神学問答のおもしろさもさることながら、注目すべきはやはり二人のクレメンス家の男、甲斐とアーサーの兄弟であろう。どちらもなかなか秀麗な容貌の持ち主でありながら、神学生らしいストイックさを持ち合わせている。「黒い瞳の知嚢」と呼ばれ、優れた頭脳と人望に抜きんでた義兄アーサーを慕いつつも、義兄にかなわぬ自分に対して忸怩たる思いを抑えることのできない甲斐。生みの母の記憶を持ち、のびやかに育った弟への複雑な思いを隠し持つアーサー。それでも、緑の騎士に捕らわれて絶体絶命の危機に陥った甲斐を助けに颯爽と現れたのはアーサーだった。カッコイイーッ。
 冷静沈着で頭脳明晰、端麗な容貌の義兄アーサーも良いが、私のおすすめは「悩める神学生」甲斐くん。イヴの誘惑によろめきそうになったり、たやすく人を信じては裏切られ、哀しみにうなだれたり、彼の惑乱ぶりは見ていて実に楽しい。自らの信仰心に疑問を抱きつつも、神の御心に必死で沿おうとする純粋さと健気さ。真っ直ぐな正義感と18歳の若者らしい潔癖さ、清廉な精神。まさに愛すべき未熟者である。おすすめよん。

 

momiji.gif  フィーヴァードリーム 作:ジョージ・R・R・マーティン 創元文庫 上下巻
 時は19世紀のニューオーリンズ。ミシシッピ川流域を舞台に繰り広げられる、吸血鬼と人間の、愛と友情と戦いの物語。となると、かの有名な「夜明けのヴァンパイア」を思い出す方も多いだろうが、それとはまた別。これは、人間とヴァンパイアとの友情を描いた、世にも美しい物語なんである。
 落ちぶれた船長、アブナー・マーシュの前に現われた美しい青年紳士、ジョシュア・ヨーク。ジョシュアはマーシュに、蒸気船の共同経営の話を持ちかける。その破格の条件と、ジョシュアの不審な行動に疑問を覚えるマーシュ船長。実はジョシュアは、血の乾きを克服した初のヴァンパイアであり、「血の支配者」ダモン・ジュリアンと対決し仲間を解放するための手段として、蒸気船を必要としていたのだ。奇妙な友情で結ばれた二人は、一致協力してジョリアンに戦いを挑む。一度は戦いに破れ、ジョシュアとマーシュは離ればなれになるが、13年後、隠遁したマーシュのもとに、一通の手紙が舞い込んだ。「あなたの気持ちが変わっていなければ、待っています」――と。
 再会したマーシュにジョシュアは云った。
「あなたが私の種族を救いに来てくれるかどうかわかりませんでした」
それを聞いたマーシュはきっぱりと告げるのだ。
「きみのためだけで充分だったのだ。わしらはパートナーなんだぞ。なあ、そうじゃないのか?」
……マーシュ船長はいい男だ。教養もなく、醜い男だが、誇りたかく、受けた信頼を裏切るまねは決してしない。これを読むと、「人間も捨てたもんじゃない」という気にさせてくれる。いい話だ。

 

momiji.gif  眠たい奴ら 作:大沢在昌 実業之日本社刊 JOY NOVELS全一巻
 ちょっとJUNEからは外れるが、読みやすくテンポのいい痛快アクション。主人公は、クスブリ中のヤクザ、高見と大阪府警のマル暴刑事、月岡。この二人の迷コンビぶりがなかなかグッド。
 高見は、クスブッてるとはいえ、かつては組の金庫番で鳴らしたインテリヤクザ、しかもなかなかの男前でダンディーな、42才の男盛り。
 かたや月岡は、顔はダボハゼ、服のセンスは最悪、厚かましくて、ヤクザがクソバエより嫌いだと云い放つ、しつこい刑事の典型のようなオヤジ。
 どー考えても水と油といった二人だが、共通項は、二人ともミョ〜に純情なとこがあって、ミョ〜に人が良いのだ。
 クスブリ中の高見がフケた先は、かつての弟分が旅館を営む温泉地。そこに本拠地を構える新興宗教団体のお家騒動をめぐって、高見も月岡もその渦中の女性に惚れてしまい、共同戦線を張って姫の救出とあいなるわけだが、そこに西のヤクザは絡んでくるわ、土地の警察は抱き込まれてるわでもー大変。でも、絶体絶命のピンチに陥る高見を助けるのは、いつも月岡なんだよなあ。
 おかしいことにこの二人、惚れた女に対して互いに牽制しつつ予防線を張ってるわけだが、それでもアンフェアな真似だけはしないのだ。正々堂々、騎士道精神というわけか。かわいい男たちである。
 まあとにかく、高見はイイ男だ。きちんと筋は通す男だし、任侠だなんだとヤクザの建前を振りかざすこともしない。一方で、カタギのエリート然とした外見から時折覗く、崩れた部分がたまりません。ちなみにえっちも上手いらしいぞ。ふふ。皆様ぜひ読んでみてください。面白いぞー。

 

momiji.gif  ブラディ・ドールシリーズ 作:北方謙三 角川文庫 シリーズ全10巻
 ハードボイルド界の御大、北方氏の一大シリーズ。ハーレクインを男同士でやったらこんな感じじゃなかろかね。これを評して「男コバルト文庫」と言った人がいるが、言い得て妙。とにかく、出てくる男どもがみんな寝言を言っている。もうキザすぎて笑えるくらいだ。「ゴードンだけがジンさ」だの、「けだものの体、人間の心」だのと大の男に真顔で言われたら、こっちはどうしたらいいのだ。なかでも極めつけは「俺の天使」。二十歳もとうに越えた、腕っぷしの強い兄ちゃんが、ムショ帰りのバーテンに向かってほざいたセリフである。いくらボコボコにやられて死にかけてるからって、寝惚けるにもほどがある。
 とにかくこの話は、出てくる男がみんな主人公である川中(男)を愛している。川中のためなら人殺しも厭わない男に、愛が屈折しちゃってねじ曲がってる男。前者の代表格が藤木で、後者は宇野だろう。
 この藤木という男も結構謎である。ヤクザの幹部だったはずだが、バーテンとしての技は一流、料理もできるし腕っぷしもハンパじゃない。スゴ腕揃いのこの話の中でも1、2を争うだろう腕の持ち主である。一体どういう育ち方をすれば藤木のようになるものやら。残念ながら藤木の過去について詳しい説明はほとんどない。番外編でもいいから、藤木の過去をネタに長編を書いてもらえないものだろうか。藤木に会いたい。彼が死んだときはショックのあまり一晩泣き明かしてしまった。登場人物が死んでこれほどショックだったのは「銀河英雄伝説」のヤン・ウェンリー以来である。くそう、返せ戻せ藤木。いやいや落ち着け。論点がズレてしまった。
 とにかく、これでもかとばかりにイイ男が出てきては、てめえの男っぷりを争うようにして死んでゆく。本人はそれでもいいだろうが、関わる女たちはたまったもんじゃない。ちったあ命を大事にしろってんだ。まったくもったいない。
 まあこの連中がどう死のうと勝手だが、8巻のラストだけは納得できんぞ。大好きなシリーズではあるが、あれだけは許せーん。ヒドすぎ。

 

momiji.gif 「愚か者の盟約」 作:佐々木 譲 講談社文庫 全1巻
 ちょっと池上遼一の「サンクチュアリ」を彷彿とさせる政治ドラマ。なのだが、政治に関しては全く門外漢の私にもすらすら読めるほど、ムズカシイことは抜きで楽しませてくれる、若き国会議員、寺久保とその秘書の物語。
 だいたいが政治家の秘書なんてものは、公私に渡って主の仕事と生活とを支えているものらしいが、ここに出てくる彼、野崎もご多分に漏れず。清廉さが売物の上司に代わって、裏の汚ない部分を一手に引き受け、10年の歳月にわたって微に入り細に入り彼に尽くし続ける。あげく、妻からも離縁されてしまう。
 そして、自らの命運を賭けた大バクチを打って出ようという日の前日、寺久保が云う。
「きみがいつまでぼくの片腕でいてくれるのか、それを考えてしまったのさ。きみはいつかはぼくから離れていくんだろう?」
 すると、いつも冷徹な態度を取り続けてきた彼が、初めて崩れるのだ。
「どうしてそんなふうに思うんです。私の人生にはもう寺久保さん以外には何もないんです。ここまで来た以上、わたしにはあなたがすべてだってことが、わかってもらえてないんですか」
 一瞬目を赤くうるませた野崎にうろたえる寺久保。
 くーっ。これである。こーゆーのが読みたいんだよ私は!矯められた感情を思わず吐露する瞬間。刹那のチラリズム。これがまったくソノ手の読者を意識しないで書かれた話であるだけに、宝の箱を掘り当てたような気分にさせてくれる。
 いやー、ええ話や。


poppy.gif「白―HAKU―」 作:渋沢さつき 竹書房 全4巻
白イラスト 全てに白けた高校生、水野義江が、麻雀との出会いによって、しだいに成長していくという、別冊近代麻雀に連載された麻雀マンガ。が、あなどることなかれ。これが実にオイシイ。
 まず、水野義江こと「白」が、美形なんである。それも、かよわさなど微塵もない、しなやかで強靭な若い獣の美しさ。高校生時代の第一部も、なかなか恐いもの知らずの少年といった感じで良いが、第二部の青年白の色気ときたら、もう尋常じゃない。目つきから髪の流れから、指の爪の先まで色っぽいのだ。雑誌の宣伝コピーに「宿りしは白狼……」などと書かれていたが、まさにぴったり。
 そして、ライバルであり、のちには友ともなる大鷲組の代打ち、十字猛夫。これがまたシブいオジサンなんである。常に黒スーツに包まれた痩身。バックに花をしょって現れても違和感がないのだ。ストイックさがまた魅力。組長の息子を誤って手にかけてしまった贖罪の気持ちから、大鷲に命をささげ、人生を楽しむことを自らに禁じているふしがある。しかし白のことは気になるらしく、つき離したり助けたり。白ちゃんもひたすら十字を追い続け、薬物中毒になってしまった十字を庇ってわざと敵にフリ込み、ロシアンルーレットの引金をこともなげに引いてみせるのだ。他にも、絶体絶命の窮地に思わず十字の名前をつぶやいたり、オイシイシチュエーションは盛りだくさん。オジサンと青年にヨワい方なら、ぜひ一読をお勧めする。大丈夫、麻雀知らなくても面白く読めます。私もこれ読むまで麻雀全然知らなかったもん。ちなみに作者は女性で、「麗人」に描いたこともある。たいそう整って存在感のある絵を描く作家さんです。
 なお、若き日の十字を描いた外伝「黒の男」全2巻もあり。
(右のイラストは、前に出した「白」本の表紙用イラスト。「爽やかな白ちゃん」を目指したのに、「いやらしい」と云われてしまった……)


momiji4.gif「ブルースハープ」 98年 邦画 監督:三池崇史 主演:池内博之 田辺誠一
 手元に資料が何もなくて、詳しいスタッフとかが全然わからないのだが、舞台は沖縄、ブルースハープ(ハーモニカ)を吹く黒人兵との混血青年(池内博之)と、ヤクザの幹部(田辺誠一)との精神的交流を描いた物語。しかーし、客の95%は女性で、僅かな男性陣も、「なぜこの映画を男同士で見に来る!?」とツッコミを入れたくなるよーな御仁ばかり。それもそのはず、これははっきり云って、青年とヤクザの愛の物語だった。
 物語はまず、ライブハウスの裏手で、追われているヤクザ(田辺)を青年(池内)が助けることから始まる。傷を追った田辺をとりあえず自分の部屋に連れていく池内。その夜、寝ている池内の若く美しい裸体を田辺がじっと見つめているのだ。それこそ舐めるよーに、である。むーん。
 で、つぎの朝、弟分が迎えに来て、田辺は帰っていくが、しばらくして青年の勤めるライブハウスにふらりと現れる。礼を言いたいからと呼び出した草っぱらで、いきなり言うせりふが、
「おまえ、俺のこと好きか」
である。とまどいながらも素直に「好きだよ」と返す池内に、口元をゆがめて笑いながら、
「そういう意味じゃねえんだよ」
だと。私と友人4人が映画館のシートでのたうったのはゆーまでもない。
 んで、その間中、ずっと例の弟分がつき従っているわけだが、こいつがまたアヤしい。どう見てもソノ手のサウナで、どう見てもモーホな男にいい寄られたりして、「んん?」と思っていたらば案の定、だんだんと親密度を増して行く兄貴分と青年に嫉妬して、青年を陥れようと画策するんである。実はこの田辺扮するヤクザは結構な野心家で、敵の幹部と手を組んで自分の組長を殺そうと企むわけだが、この弟分は、その鉄砲玉に“兄貴の大事な青年”を使おうと目論んだわけだ。
 ハーモニカの腕をプロスカウトに認められるかどうかの大事なライブの当日、自分の女を人質に取られた青年は、銃を片手に指定されたホテルへ赴くのだが、そこへ現れたのは、血相変えて助けに来た田辺だった……。
 結末はビデオで確かめてくだされ。いやしかし、ヒットな映画だった。この監督、「新宿黒社会」を撮った監督だそうだが、さもありなん。アレも不必要にモーホな場面の多い映画だった……。それについて詳しくは次の機会に。


momiji4.gif「秀吉」 NHK大河ドラマ
 97年の大河ドラマ「秀吉」。これはまさにJUNEだった……。よもや竹中直人が可愛く見える日が来ようとは……。渡哲也の信長もえらいカッコよかったし、この二人の互いを見つめる目には、もう愛があふれていて、見てるこっちが気恥ずかしくなるほど。毎回砂吐いて見てました。
「あの猿めまでが儂に嘘をつきおった」なんて、そんな寂しそうに云うなよ信長!テレちゃうじゃないか〜。恥ずかしげもなく二人の世界作りやがって。信長が秀吉のアタマ抱き抱えていとおしそーに撫でちゃうんだもんなあー。あーホモだホモ。
 村上弘明の光秀もい〜い男だし。受け受けしいんだこれが!こんな押しの弱そうな彼があの信長に追い詰められていくのかと思うと、そぞろ同情を禁じえませんでしたよ。古谷一行の竹中半兵衛も渋いし、仲代達矢の千宗易も凄味があるし、蘭丸はTOKIOの松岡だし(これがまた底意地悪そう)、おまけに黒田官兵衛が伊武雅刀! オイシすぎる……。キャスティングした人尊敬しちゃいますよ。ようまあこれだけ濃い配役を……。いやー、久々にパワフルで面白い大河ドラマでした。「独眼竜政宗」以来のヒットだわ、うん。毎回見てて泣いちゃったわー。ねねさまも可愛いし。秀吉をどつき倒すねねなんて私ゃ初めて見ましたよ。お嫁入りのときの白無垢姿なんて、あたりを払うばかりの美しさでした。秀長がそれ見て腰を抜かしたのもナットクできる。もう一度最初っから見たいなあ。どーして大河ドラマって、全話ビデオ出してくれないんだろう。




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